電動歯ブラシ、回転式と音波振動式の違いを解説

Q. 電動歯ブラシの回転式と音波振動式の違いは何ですか?

電動歯ブラシの話をする前に、まず歯の重要性について少し話す必要があります。

歯は健康に生活する上でとても重要な役割を担っています。食事の際に歯があることで食べ物をしっかり嚙み砕くことができ、胃や腸に負担をかけず全身に栄養をいきわたらせることができます。食べ物を噛むことで脳に刺激を与えることもできるのです。

また、歯があることで、味覚を豊かに保つ、美しい表情をつくる、美しい発音をつくる、ことができます。

厚生労働省では下記のように述べています。

下記、冒頭にあるう蝕(うしょく)とは、食べたり飲んだりした糖分を餌にして、口の中にいる細菌が作り出した酸によって、歯質(エナメル質と象牙質)が溶けた状態のことです。

う蝕及び歯周病に代表される歯科疾患は、その発病、進行により欠損や障害が蓄積し、その結果として歯の喪失に繋がるため、食生活や社会生活等に支障をきたし、ひいては、全身の健康に影響を与えるものとされている。また、歯及び口腔の健康を保つことは、単に食物を咀嚼するという点からだけでなく、食事や会話を楽しむなど、豊かな人生を送るための基礎となるものである。
 これら口腔と全身の健康の関係を実証的データとしても明らかにしていくため、平成8年より厚生科学研究「口腔保健と全身的な健康状態の関係に関する研究」が実施されており、80歳高齢者を対象とした統計分析等から、歯の喪失が少なく、よく噛めている者は生活の質および活動能力が高く、運動・視聴覚機能に優れていることが明らかになっている。

厚生労働省 歯の健康

歯を健康に保つことで、質の高い生活が送れるようになるのです。

歯周病だけが原因で起こるわけではありませんが、歯周病が進行することで病気や症状を引き起こすおそれがあるのです。脳梗塞・心筋梗塞、骨粗しょう、細菌性心内膜、糖尿病・肥満などは歯周病と相互に影響し合っているといわれています。

虫歯や周病は悪化させてしまうとの健康が失われ、治療も複雑になり時間もかかるようになるため、毎日の歯磨きは丁寧に行う必要があるのです。

そこで歯ブラシだけでは除去しにくい汚れを落とせることから、電動歯ブラシを推奨するようになっています。

電動歯ブラシは高い歯垢(しこう)除去能力を発揮しますが、大きく分けて、「回転式」と「音波振動式」に分けられます。あと、音波振動式から派生した「超音波振動式」があります。メリットとデメリットは下記の通りです。

回転式電動歯ブラシ

回転式電動歯ブラシは「物理的除去」を行うのが特徴です。

メリット

歯ブラシだけは届きにくい、または除去しにくい箇所の歯垢除去力が高いのがメリットと言えます。歯を磨いている状態に近いブラッシングの満足感が強いので、しっかり磨きたい人におすすめです。

電動歯ブラシ初心者の人、歯を上手に磨けない人でも磨き残しをしにくくなります。回転式は丸型の小型ブラシを採用しているモノが多いです。

デメリット

振動や歯茎への刺激が強いことです。ただ、このデメリットに関しては、最近は解消されています。やわらかい毛先のブラシが販売されているため、大人だけでなく、小さな子供でも抵抗なく使えるようになっています。

音波振動式電動歯ブラシ

音波振動式電動歯ブラシは「振動除去」を行うのが特徴です。

空気中を伝わる波を「音」あるいは「音波」といいますが、電動歯ブラシから音波は発生しません。音波領域内での振動、つまり通常の電動歯ブラシよりも高速に振動するという意味合いからその名前が普及した電動歯ブラシです。音波振動式と言わず単に「音波電動歯ブラシ」と表記している場合もあります。

従来の電動歯ブラシは水中に気泡をほとんど発生させませんが、音波振動式の場合は、回転速度を上げることで水中に気泡を多数発生させることができます。この気泡により汚れを除去します。

メリット

毛先に振動を起こすことで発生する水流や気泡が、毛先の当たっていない場所の汚れを除去することができます。毛先から周囲2~3mmくらいが範囲とされています。

また、回転式に比べ歯や歯ぐきへの刺激が低いため、敏感な人は音波振動式の方が良いでしょう。

デメリット

回転式の様に物理的に汚れを除去するわけではありませんので、毛先が歯の間の汚れを落としてくれるように角度をつけて歯にあてる必要があります。完全にきれいになるわけではなく、補助的な役割になっています。

超音波振動電動歯ブラシ

超音波振動式電動歯ブラシは音波振動式より、さらに振動回数を速くした「振動除去」を行うのが特徴です。

「超音波」の定義は「周波数が高くて人間の耳に聞こえない音」です。電動歯ブラシから超音波は発生しません。それぐらい振動数が速いという意味でつかわれます。

「音波振動式」と「超音波振動式」の違いは振動数です。商品パッケージに表示されているものの中には数百倍から数千倍速く振動する電動歯ブラシもあります。

しかし、高い周波数の波動ということではありますが、実際のブラシの振動数の数値による比率ではそこまで変わらないです。

明確な定義があるわけではないため、メーカーや販売店により表現の仕方が異なります。

メリット

高速に振動するため、発生する水流や気泡がさらに増えることで汚れを除去することができます。また、高速振動のため、歯への刺激はさらにやさしくなります。

デメリット

高速振動により細かな気泡をたくさん発生させ汚れを落とすとなっていますが、速すぎるゆえに汚れを落とす能力が微弱になっているもあり、歯垢を落とすにはいたらない電動歯ブラシも存在します。

また、高速振動は「歯」に対しては問題ないですが、「歯茎」を痛めてしまう場合もあります。

「超音波振動式」から振動数を減らし「音波振動式」に戻すメーカーさえあります。

補助的な役割

電動歯ブラシは普通に歯磨きするよりも汚れを除去してくれる、とても便利な歯ブラシです。

ただ、あくまで基本は普通の歯ブラシを使って正しい歯磨きができていることが大前提です。

正しい歯磨きができていない人が電動歯ブラシを使うと、歯に強く押し当てて傷をつけてしまったり、歯ブラシをあてる角度が悪く汚れが落ちていないということもあります。

歯科医院に行けば、正しい歯磨きを教えてくれます。悪くしないための磨き方、自分に適した歯ブラシの選び方、ご自宅での正しいホームケアのアドバイスをしてくれます。

歯の平均寿命は約50~65年です。 その中でも「奥歯の寿命」が最も短く、前歯よりも10年以上も早く抜けてしまいます。

まずは、普通の歯ブラシで正しい歯磨きを行えるようになりましょう。

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