医療系で国家資格の必要な仕事、難易度と年収を解説

医療に従事する者を医療従事者といいます。主たる職種に医師、薬剤師、看護師がありますが、資格を問わず医療に従事している者であれば医療従事者となります。医療従事者になるためには資格が必要ですが、治療を行えるのは医師のみです。その中で国家資格が必要な職種は下記の通りです。

医師

難易度S ★★★★★

司法試験、公認会計士試験と並び三大国家試験の1つ。医師の仕事は、患者を診察し治療することです。これは医師法により定められている行為で、医師だけに許されているものです。内科・外科・眼科・皮膚科などありますが、医師免許を取得してすぐになれるのではなく、卒業後、研修医を経て医師になることができます。厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、医師の平均年収は約1,240万円となっています。それ以上の医師もいますし、独立してクリニックを開業している医師の場合はさらに高くなります。

歯科医師

難易度E ★★★★★

歯科医学に基づいて傷病の予防、診断および治療、そして公衆衛生の普及を責務とする医療従事者です。医師と歯科医師の違いは医師は医学部を、歯科医師は歯学部を卒業した者がなることができます。同じ医師ですが全く別のお仕事になります。歯科医師の平均年収は約570万円となっています。それ以上の医師もいますし、独立してクリニックを開業している歯科医師の場合はさらに高くなります。

薬剤師

難易度D ★★★★

薬剤師は、調剤、医薬品の供給、その他薬事衛生を司る医療従事者です。薬剤師になるには、大学薬学部での教育課程修了ののち、薬剤師国家試験を受験して薬剤師の資格を取得するとなることができます。勤務先は多い順に薬局→病院→企業→ドラッグストアとなっています。薬剤師の平均年収は約543万円となっています。

保健師

難易度D ★★★★

保健師は、病気にならないように保健指導や健康管理などを行うほか、人の健康を守るために幅広く活動する医療従事者といえます。保健師になるには看護師免許と保健師免許、2つの国家資格の取得が条件となります。保健師は病院で働く他に、行政で働く「行政保健師」、企業で働く「産業保健師」、学校の保健室で働く「学校保健師」があります。行政保健師の場合はさらに公務員資格を有する必要があります。保健師の平均年収は約440万円ですが、行政保健師だけ見ると約500万円と高くなる傾向にあります。また大企業の産業保健師の場合はさらに高く約550万円以上になります。

助産師

難易度D ★★★★

助産師は助産行為の専門職であり、妊娠、出産、産後ケア、女性の性保健、新生児ケアなどを行う医療従事者です。助産師になるには看護師免許を取得した後、助産師国家試験を取得する必要があります。勤務先は多い順に病院→クリニック(診療所)→助産所となっています。産婦人科医と助産師の違いは医師の先生はすべての分娩を扱えるのに対して、助産師が扱えるのは妊婦とお腹の中の赤ちゃんの健康状態に問題がない場合(正常分娩)だけです。なお、妊娠出産は病気に該当しません。助産師の平均年収は約500万円です。

看護師

難易度D ★★★★

看護師は、医師のサポートや患者のケアを行う医療従事者です。看護師になるための学校は、4年制大学、3年制の短大・専門学校がありますが、いずれも国家資格である「看護師資格」が必要です。病棟勤務の看護師、手術室や救急を担当する看護師、入院設備のない病院や外来の看護師などのほか、介護施設や保育所などで活躍している看護師もいます。患者の様子や状態をいつも把握し、異変を察知できるようにしておくことが大切です。看護師の平均年収は約480万円です。

臨床工学技士

難易度C ★★★

臨床工学技士は、医師の指示のもとに「生命維持装置」と呼ばれる人工呼吸器、血液透析装置、人工心肺装置などの高度医療機器を操作し、治療のサポートを行っている医療従事者です。トラブルなく治療が行えるように医療機器の保守点検・管理も行っています。臨床工学技士の養成課程のある大学(4年制)か短大・専門学校(3年以上)で厚生労働省の定めるカリキュラムを修了し国家資格を取得するとなれます。臨床工学技士の平均年収は約440万円です。

臨床検査技師

難易度C ★★★

臨床検査技師は、病院などの医療機関において臨床検査を行う技術者です。臨床検査技師の仕事は、患者の体から採取した検体を検査する「検体検査」と、患者に直接触れる心電図検査や呼吸機能検査、脳波検査、磁気共鳴画像検査(MRI検査)などの「生体検査(生理機能検査)」があります。高校卒業後、臨床検査技師養成課程のある4年制大学、3年制の短大または専門学校にて課程を修了し国家資格を取得するとなれます。臨床検査技師の平均年収は約440万円です。

診療放射線技師

難易度C ★★★

診療放射線技師は、病院や診療所などにおいて、医師の指示のもとで主に放射線を用いた検査及び業務に必要な機器やシステムの管理などを行う医療従事者です。エックス線(レントゲン)撮影を行うことから、「エックス線技師」「レントゲン技師」などと呼ばれることもありますが、正式な名称は「診療放射線技師」です。高校卒業後に放射線技師養成校を修了し診療放射線技師国家試験を取得する必要があります。診療放射線技師の平均年収は約420万円です。

救急救命士

難易度B ★★

救急救命士とは、傷病者に救命処置を施す医療従事者です。救急医療のスペシャリストであり病院前救護の質を高めることが救急救命士の大きな目的のひとつです。救急救命士と救急隊員の違いは、両者とも傷病者の気道確保や人工呼吸、止血、保温などの応急処置を行うことができますが、救急救命士は輸血や、器具を使用した気道の確保などの処置ができます。消防官として勤務しながら5年以上または2000時間以上の救急業務を経験し、さらに養成所で6か月以上の講習を受け国家資格を取得するとなれます。まずは消防職員採用試験に合格する必要があります。救急救命士の平均年収は約550万円です。

歯科技工士

難易度B ★★

歯科技工士は、歯科治療における詰め物や被せ物・入れ歯・矯正器具・インプラントなどの作成やメンテナンスをおこなう医療従事者です。高校を卒業後、歯科技工士教育機関にて必要な知識と技能を習得し、所定の学科を修了後、国家資格を取得するとなれます。勤務先の7割は歯科技工所で、その他は病院もしくは診療所となっています。歯科技工士の平均年収は約370万円です。ただ、歯科技工士は開業権のある国家資格なので歯科技工所の開設や自宅での開業をする人もいます。

歯科衛生士

難易度B ★★

歯科衛生士は、歯科予防処置、歯科診療補助および歯科保健指導等を行う医療従事者です。歯科医師の監督・指示のもと治療以外である虫歯や歯周病予防のための歯垢や歯石を取ったり、フッ素を塗ったりといった口腔内の汚れの除去などの予防処置ができます。歯科衛生士と歯科助手の違いは歯科衛生士は国家資格があるため口の中を触れられるということです。歯科衛生士になるには大学の歯学部口腔保健学科、短大の歯科衛生学科、専門学校などの養成施設にて養成課程を卒業し国家資格を取得するとなれます。歯科衛生士の平均年収は約370万円です。

その他

医療に従事するための資格

理学療法士、作業療法士、視能訓練士、義肢装具士、言語聴覚士、管理栄養士、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師

国家資格がなくてもなれる医療の仕事

国家資格を取得していなくても医療のしごとに就くことができます。

  • 都道府県認定資格を取得するとなれる仕事

准看護師

准看護士は、知事資格である准看護師の免許を取得するとなることができます。看護師と連携して患者さんをケアすることが仕事ですが、准看護師は医師や看護師の指示のもとに業務をする必要があります。准看護師と看護師の違いは、自らの判断で業務をおこなったり、看護師に指示を出したりすることはできません。准看護士の平均年収は約350万円です。

ホームヘルパー

ホームヘルパー(訪問介護員)になるには、都道府県または都道府県が指定した研修事業者による研修を受講・修了する必要があります。仕事の内容は身体介護や生活援助があります。生活援助は掃除、洗濯、調理、買い物などの家事の援助や、薬の受け取りがありますが、家事代行ではなく介護のプロフェッショナルとの位置付けの意味が強くなってきています。ホームヘルパーの平均年収は約300万円です。

ケアマネージャー

  • ケアマネージャー(介護支援専門員)は「介護保険法」に規定された専門職で、居宅介護支援事業所や介護保険施設にてケアプラン(サービス計画書)の作成やサービス事業者との調整を行う、介護保険に関するスペシャリストです。ケアマネージャーになるためには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格する必要があります。ケアマネージャーの平均年収は約390万円です。

医療事務

  • 医療事務は、病院やクリニックなどの医療機関で患者の応対と医療費の計算をする仕事です。初めて受診される来院者に診察券を発行したり、保険証の提示を求めたりします。同時に、問診票などの書類を渡して記入してもらい、医師にスムーズに症状が伝わるようにします。医療事務は未経験でも資格がなくても就くことができます。ただ民間資格である医療事務技能審査試験、 医療事務 管理士技能認定試験、診療報酬請求事務能力認定試験、医療事務認定実務者などを取得した方が有利に就職できます。医療事務の平均年収は約280万円です。

資格が無くてもなれる仕事

歯科助手

歯科助手はその名前の通り歯科医院におけるサポート役として欠かせない存在です。受付、事務・雑務等の資格を必要としない業務を行えます。ただ「歯科 医療事務管理士(R)」などの資格を取得する方が有利に就職できます。歯科医院の増加や歯科衛生士不足の背景もあって今後も安定した求人があります。歯科助手の平均年収は約305万円です。

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