うつ病とは気分障害の一つであり、一日中気分が落ち込んだり何をしていても心から楽しむことができない等、精神症状と共に食欲低下や疲れやすい、眠れないといった身体症状が現れて日常生活に大きな支障を生じてしまう場合「うつ病」と判断されることが多いです。気分障害はこのうつ病の他にも鑑別が必要となる双極性障害と呼ばれる躁うつ病などがあり、双極性障害はうつ状態と躁状態を繰り替える特徴がある病気で、それぞれ治療が大きくことなるため自分で症状を判断するのことは大変危険であり、専門家に相談をし適切に判断をして貰う必要があります。
うつ病の症状と原因には、症状のサインとして現れるのが一日中気分が落ち込み、何をしても楽しめないといった自覚症状が続くことがあります。気分が落ち込むような明らかな原因が思い当たらないという方も少なくありません。原因と思われる問題を解決したとしても気分が回復せず、日常生活に大きな支障が生じてしまうといった症状が考えられます。
うつ病を発症している人は、物事の捉え方が否定的になりやすく自分がダメな人間で肯定的に考えられなくなりがちです。普段であれば問題なく乗り越えられる問題であっても、実際よりも酷くつらいと感じてしまう悪循環が起こり、焦ってイライラした気持ちも出てきます。適切な治療を受けずに症状が進行して重症化すると、死んでしまいたいほどの辛い気持ちが現れるようになるため、心身を守るためにも自分がうつ病かなと思える症状を自覚したのであれば早めに専門感に相談をすることが重要だといわれています。
では実際にどうしてうつ病を発症してしまうのかというと、発症の原因は現在も正確にわかっていない現状があります。しかし多くの発症者の傾向で、感情や意欲を司る脳の働きに何らかの不調が生じているものと考えられています。うつ病の背景となる原因の一つとして、身体的や精神的ストレスが指摘されることが増えていますが、辛く悲しい体験やでき事のみならず、進学や就職、引越しや結婚といった嬉しい出来事の後であっても発症する可能性もあります。
最近では体の病気や内科治療薬が原因となって、うつ状態が生じることもわかってきているため、治療や薬の服用をする際には十分な注意が必要だと考えられるようになりました。日本国内では100人に約6人がうつ病を経験しているという調査結果が出ており、特に女性の法が男性に比べて1.6倍ほど発症率が高いことがわかっています。これは女性はライフステージに応じて妊娠や出産、更年期といった関連の深いうつ状態やうつ病にかかる危険があるためです。
うつ病はできるだけ早期に発見して、適切な治療を受けることが重要だといわれています。そこで早期発見に必要とされるのが、本人が感じる気分の変化に気づくことだけではなく、周囲から見てうつ病のサインに気付くことができるかも非常に重要なポイントになります。周りの人がいつもと違うとその人の変化に気付く場合、もしかすると本人がうつ状態で苦しんでいる可能性が考えられます。そこでうつ病のサインとして挙げられるのが、表情が暗くいつも自分を責めてばかりいる、涙もろく反応が遅い、落ち着かず飲酒量が以前よりも増えたといったサインがあります。
他にも体に現れるうつ病のサインもあり食欲や性欲の低下、毎日しっかり睡眠をとれない人や過度に寝てしまう人、体が常にだるく疲れやすくなったり、頭痛や肩こりの症状が酷くなるなどの症状が特徴です。他にも動悸や胃の不快感、便秘や下痢になりやすくめまいが出るといった症状が現れる人も多いです。
では実際にうつ病だと医療機関で診断された場合、どういった治療が行われるかというとまず心身の休養がしっかりとれるように環境を整えることが大事だと考えられています。もし仕事をされている方や学校に通っている学生なら、仕事を一度休職したり学校を休むことで自宅で過ごすことが最重要です。
場合によっては入院環境へ身を委ねることにより、大きく症状が軽減する患者さんも多いです。これはうつ病の原因となる精神的ストレスや身体的ストレスを感じる場所にいることで症状を悪化するのを防ぐことが目的であり、ストレスを感じない環境でしっかり休養をとることで、症状が安定する人が多いためです。
さらに治療として医薬品による薬物療法と、専門家との対話を通して進める精神療法を行い、散歩などの軽い有酸素運動を行う運動療法によってうつ症状を軽減させることができると考えられています。薬物療法で使用される治療薬は抗うつ薬であり、継続して服用することで効果を得ることができるため主治医の指示に従って、焦らずに服薬を続けることが大切です。主治医とのコミュニケーションを通じて薬の量を守れば、副作用はそこまで恐れる心配はありません。精神療法は指示的精神療法と呼ばれる基本的な治療法に加えて、対人関係療法や認知行動療法などの専門的な治療法が行われています。その他の治療として、高照度光療法や修正型電気けいれん療法、経頭蓋磁気刺激法などが用いられる場合もあります。