Q. 看護師ですが職場でのいじめにどう向き合えばよいですか?
「いじめ」の悩み
看護師は全体的の数の中でも女性が多い職業であり、閉鎖的な環境で働くケースが多いことから人間関係の悩みが多い職業といわれています。円滑な人間関係を築くことができればいいですが、どんな人とも上手くコミュニケーションを取ることは非常に難しいため、看護師のいじめに関する職場の悩みを抱えている人も少なくありません。
いじめは精神的に辛く、更に過酷な看護師の仕事と平行していくことは心身ともに辛いことから、いじめを理由にして仕事を辞めてしまうという看護師さんも多いです。実際に都道府県ナースセンターが調査した現在働いていない看護師が、直近の仕事を辞めた理由をアンケートしたところ、第7位に職場でのいじめや嫌がらせがランクインしているなど辞職の理由としている人が多い傾向にあります。
看護師はチームで行う仕事なので、人間関係の問題は働きづらさを感じる大きな要因になりやすいといわれています。実際に多くの人が体験している職場でのいじめのケースには、仲間はずれや無視をされるという状況です。例えば休憩時間に同僚と一緒になっても話をふってもらえなかったり、挨拶をしても自分だけ無視される、話の輪に入れてもらえない、飲み会などがあっても自分だけは誘われないといったことが挙げられます。
「いじめ」の内容
自分に何か原因があったり、思い当たる節があれば対処することはできますが、いきなり無視をされてしまったり1人対大勢という状況になってしまえば明らかないじめであり、看護を行うという命に関わる重要な職場での仕事にも大きな影響が出てきてしまう危険があります。
他にも上司から十分な仕事を教えてもらえなかったり、自分がミスをしてしまった場合に強く責められるという状況も看護師の現場で多いいじめのケースだといえます。どのような業務も新人であれば知識が少なく、ミスをしてしまうことも少なくありません。
特に看護現場では覚えることも非常に多く、ミスをせず患者の命を守ることが求められる重要な仕事だからこそ、新人の指導は上司や同じ職場のスタッフはしっかりサポートすべき部分です。
しかし看護の現場は常に仕事に追われており、人数が明らかに足りずに新人の指導をきっちり行える時間がとれない場合も多いです。そのため何かわからないことがあって先輩や上司に質問をしても、自分で考えてといわれてしまったり、初めての業務を1人でやらされミスをしてしまうと強く叱責されるといったいじめも存在します。
ある程度の経験を積んでいる看護師がちょっとしたミスを起こしてしまうことは責められても仕方ありませんが、右も左もわからない新人にとってはこのような過酷な環境で仕事を続けることは非常に難しいですし、続けてくことが出来ず辞職してしまっても無理はないでしょう。
また近年問題となっているのが人前で度を過ぎた説教を行うことです。他の看護師や患者さんなど、目立つ場所で大声で怒るなどの行動はたとえ指導の一環としても度を超えた行為であり、パワハラやいじめとして判断されます。看護師のミスは患者の命にも直結するため、上司や先輩から強く叱られることもありますが、大勢の前で怒鳴ることや相手の行動を自分の判断だけで全て決めつけて説教を行うことは、その人の尊厳を傷つけることと同じなため、こういった状況が積み重なることも仕事へのやる気がなくなり辞めたいという気持ちが強くなる看護師さんは多いようです。
「いじめ」の対処法
色々ないじめのパターンや原因はありますが、実際に職場でいじめを受けている人は適切ないじめの対処法を知っておくことも大切です。せっかく看護師を目指したのなら職場の環境のせいで自分が辞職を行うということは1番避ける必要があります。いじめの対処法をある程度試した上でそれでも環境が改善しない場合は職場を変えることを考えるようにしましょう。
対処法の一つに周囲に相談をするという方法があります。できれば看護師長など上司に直接相談することが1番ですが、難しい場合は家族や友人でも問題はありません。今まで1人で思い悩んできたなら、人にはなしてみることで客観的な意見が聞けて思考が整理されて心が軽くなりますし、第三者からのアドバイスで自分の立場を理解することができるようになります。
周りに相談をすることが出来ない人は厚生労働省の「こころの耳」などの相談窓口を利用することも一つの方法です。電話やメール、SNSの3つの方法で相談が可能で専門のカウンセラーが悩みを聞いてくれる制度です。
また総合病院など大きな病院で働いている場合は、勤務している部署を変えてもらうというのも一つの方法といえます。勤務先の病棟で人間環境が全く異なる場合があるので、人間関係が変われば問題なく仕事を続けられる可能性は十分に高いです。看護師長には現状の相談を行い、配属先を変更してもらえるか確認することで転職せずに同じ病院で働き続けることが出来ます。
これらの対処を行った上で、いじめの原因が自分で解決できないようなら速やかに転職を検討し自身の心身の限界が来る前に職場を変えることも大切です。