抜け毛が最近増えた、薄毛が気になりだしたと思ったら。

髪は健康状態を映す鏡のようなものです。もし、抜け毛が増えたというのであれば、体あるいは心に何か問題が起きている可能性があります。原因と対策を調べておかなければ、手遅れになりかねません。

そこで、まず抜け毛とは何かということから見ていきましょう。抜け毛といっても、自然な現象と異常な現象の2種類があります。髪の毛は細胞分裂を繰り返して生えるものであり、「成長期」「退行期」「休止期」を経て最終的に抜けます。このヘアサイクルの中で発生する抜け毛というのは、新陳代謝を行う生き物であれば当然のことであり何も問題はありません。人間の髪の毛は、一般的に3年から6年をかけて1回のヘアサイクルを行います。細胞分裂を行う毛母細胞の寿命が尽きれば、新たな髪の毛が生まれることはありません。一般的に、ヘアサイクルは15回から20回ほど繰り返すと言われています。このヘアサイクルが行われるタイミングは1本ずつ異なり、1日に平均して50本から100本ほど抜けます。量が多いように思うかもしれませんが、日本人の平均で約10万本という髪の毛が順番に抜けては生えるということを繰り返しているので見た目にはそれほど変化はありません。抜け毛が気になると思っていても、その程度であれば特に気にする必要はないです。

問題は、もう一つの異常な現象の方です。こちらは、何らかの原因によって抜け毛が促されています。よくあるのが、円形脱毛症やAGAなどです。円形脱毛症は、10円玉よりも小さいものから頭部全体まで範囲が広がっているものあり様々なタイプに分類できますが、総じて言えば健康な髪の毛さえも突然に抜けてしまう疾患です。一般的にストレスが原因とされており、本来ならば体を守るはずのリンパ球が、毛根を包んでいる毛包を攻撃することで抜け毛が起きます。

円形脱毛症の対策は、毛包をリンパ球の攻撃から守ることです。そこでリンパ球の働きを抑えるステロイド外用薬を患部に塗る治療が行われます。難しい手術などは必要なく、ステロイド外用薬を使うときには、湿疹等の副作用がでることもあります。また、ステロイド外用薬は塗る期間が長くなるとことで、皮膚が薄くなる等の副作用が心配されます。医師に治療の経過をよく確認してもらいながら、慎重に使ったほうが良いでしょう。それ以外の治療では、液体窒素を患部に吹き付けて刺激を与え、発毛を促す冷却療法や頭皮の血流を促進する薬物療法などもあります。抜け毛がどこまでまで広がっているのか、患者の体質などから適切な治療を選ぶ必要があります。

そして、治療により抜け毛を止めたとしても、それは対症療法であり根本の原因を消したという意味ではありません。仕事・家事によって蓄積した疲労や、家族・友人との人間関係などストレスを、軽減していけば自然に抜け毛は解消されます。ストレスの解消法としては、休みをとって旅行をしたり買い物や遊びに興じるといったことが効果的です。あまり時間がないときには、ぬるま湯に入ってリラックスするとか寝る時にアロマオイルを使うといった方法もあります。あと、バランスの取れた食事というのも円形脱毛症を改善するのに役立ちます。野菜や果物などビタミンを豊富に含んだ食材を、積極的に食べるようにしましょう。

円形脱毛症については、抜け毛が増えることに驚くかもしれませんが、一時的なことであり髪の毛が永久に生えなくなるわけではありませんから、落ち着いて対処すれば大丈夫です。しかし、AGAの方は悠長に構えていると、そのまま薄毛が進行し最終的にはハゲてしまいます。

そもそも、AGAとは何かというと「男性型脱毛症」のことを指しており、成人男性に見られる脱毛症です。その原因は、主に脱毛を引き起こす男性ホルモンDHT(ジヒドロテストステロン)であることがわかっています。DHTはテストステロンという男性ホルモンが5αリダクターゼという酵素と結びついてつくられます。胎児のときには男性器を正常な形につくりあげるという役割を持っていますが、成人になると毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体と結びついて髪の毛を抜けるようにと信号を出します。そのため、たとえ成長途中にある髪の毛も、その信号を受けてどんどんと抜けてしまいます。

DHTを作りだす5αリダクターゼの分泌量は、その人の体質や遺伝で決まるとされており、それが人によって毛量が違う理由です。このAGAの厄介なところは、強制的に抜け毛を引き起こすので、生えている髪の毛がどんどんと減っていくことです。しかも、生えている髪の毛も十分に成長できないので、細く短いものばかりで余計に抜けやすくなっています。そうして短期間で生えては抜けるということを繰り返していると、毛母細胞の寿命が尽きてしまい二度と髪の毛が生えなくなってしまいます。ですから、抜け毛が増えてAGAかもしれないと思ったら、すぐにでも病院で治療を受けるべきです。5αリダクターゼの働きを抑える外用薬あるいは内服薬を用いることで、症状の進行を止めることができます。

タイトルとURLをコピーしました