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がんと向き合う。悪性腫瘍とはどういう症状なのか

Q、悪性腫瘍とはなんですか?

悪性腫瘍とは細胞の遺伝子変異により正常なコントロールを受け付けなくなり、制御不能となった細胞が勝手に増殖し「細胞集団」になり、この「細胞集団」が正常組織との境界を超えて浸潤的に増殖していく、または転移を起こす悪性の腫瘍のことです。

悪性腫瘍のことを、ひらがなで「がん」と表記し、漢字の「癌」と区別します。

人体を構成する推定37兆個の細胞は本来、細胞が分裂して増えるたびに、その遺伝情報は正確に新しくできる細胞に受け継がれる仕組みになっています。

とろこが特定の遺伝子に変異が生じると、この正常に受け継ぐという秩序に乱れが生じるようになります。すなわち、身体が必要としていない場合でも細胞分裂を起こして増殖し、逆に死滅すべき細胞が死滅しなくなってしまうのです。

つまりは、不死の細胞が増殖した結果を「がん」と言えるのです。

悪性腫瘍の特徴

1、正常な新陳代謝の都合を考えず、自律的に勝手に増殖を続ける。

2、正常組織との境界を超えて浸潤的(水が少しずつしみ込んでいく様)に増殖していく、あるいは転移を起こす。

3、正常組織が摂取しようとする栄養を奪い、やがて体が衰弱する。

なお良性腫瘍と悪性腫瘍の違いは、良性腫瘍の場合であっても「自律性増殖」することはありますが「浸潤と転移」「悪液質」を起こすことはなく、増殖のスピードも悪性腫瘍に比べる穏やかなのが特徴です。腫瘍の大きさや発生した場所により症状が起こることもありますが、外科的に完全に切除すれば再発することはありません。

「がん」と「癌」の違い

上皮性の悪性腫瘍を癌腫(がんしゅ)といい漢字で「癌」と表記します。

非上皮性の悪性腫瘍を肉腫(にくしゅ)といいひらがなで「がん」と表記します。

上皮系とは、体表面を覆う表皮や腸などの臓器の粘膜、内・外分泌腺を構成する腺細胞や肝などの臓器実質の細胞を指し、非上皮系とは、筋肉・血管・骨・脂肪などの組織、血液・リンパ系の組織を指します。

ただ、医療施設に置いてあるパンフレットなどでは、わかりやすくするために特に区別しないこともあります。

がんの種類

がんは発生組織の形態などから、次のように分類され、それぞれ名前がついています。

1、上皮細胞から発生するがんには、肺がん、乳がん、胃がん、大腸がん、子宮がん、卵巣がん、頭頸部のがん(喉頭こうとうがん、咽頭いんとうがん、ぜつがん等)があります。

2、非上皮性細胞から発生するがんには、骨肉腫、軟骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、線維肉腫、脂肪肉腫、血管肉腫があります。

上記の他に、血液をつくる臓器である骨髄やリンパ節などの造血器から発生するがんに、白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫等があります。

がんの死亡率

男女とも、おおよそ60歳代から増加傾向にあり、高齢になるほど死亡率は高くなります。国立がん研究センターの調べでは2018年にがんで死亡した人は373,584人(男性218,625人、女性154,959人)です。

死亡数が多い部位は男女で異なり、男性の場合、1位 肺→2位 大腸→3位 胃となっており、女性の場合、1位 大腸→2位 肺→3位 膵臓となっています。男女合計では、1位 肺→2位 大腸→3位 胃となっており、肺がんが一番死亡者数が多いがんとなっています。

肺がんは、原因の70%はタバコの可能性が高く、その他に受動喫煙、環境、食生活、放射線、薬品が挙げられます。

すべての種類のがんを含みますが、生涯で死亡する確率は、男性23.9%(4人に1人)、女性15.1%(7人に1人)です。

がんは、あらゆる病気のなかでも最も死亡率の高い病気で、長年日本人の死因第1位を占めています。がんの恐ろしいところは、初期にはほとんど自覚症状がないということです。そのため、健診などで発見されることが多く、発見されたときにはすでに進行していたというケースも少なくありません。

がんは早期発見、早期治療により明暗を分けます。がんが転移していない場合の5年生存率は、多くのがんにおいて90%近い患者が診断後5年経っても生存しているという結果が示されています。

がんの症状

がんの症状は、がんの罹患部位によって異なります。

肺がんの場合、初期症状は見られないことがほとんどです。咳や痰などの呼吸器症状の他に呼吸困難や血痰などが現れ、胸の中や近くの神経に浸潤し、声のかすれや嚥下困難、胸痛が見られると、がんが進行している可能性があります。

大腸がんの場合、初期症状は見られないことがほとんどです。血便(便に血が混じる)、下血(腸からの出血により赤または赤黒い便が出る、便の表面に血液が付着する)、下痢と便秘の繰り返し、便が細い、便が残る感じ、おなかが張る、腹痛、貧血、体重減少が見られると、がんが進行している可能性があります。

胃がんの場合、初期症状は見られないことがほとんどです。がんから出血が生じて貧血や黒色便などが現れ、胃に痛みを感じるようになると、がんが進行している可能性があります。

抗がん剤治療

がんに立ち向かうには「手術」「放射線」「抗がん剤」の治療という3つの武器があります。その中で最近、特に目覚ましい進歩を遂げているのが抗がん剤です。

抗がん剤とは、悪性腫瘍の増殖を抑えることを目的とした薬剤です。

抗がん剤といえば強い副作用や、吐き気を伴うことで知られていましたが、療法の発達や投与方法の工夫により患者がつらい思いすることも以前に比べ改善されました。

抗がん剤治療は、進行がんの患者の延命期間を延ばすことに成功しただけでなく、がんの種類によっては治すことができるようになったのが大きな進歩です。

ただ、必ずしも完治するということはなく、亡くなる直前まで抗がん剤治療が続けられてしまうケースも散見されます。

また、治療の途中で抗がん剤をやめる場合もあります。がんの病勢が悪化し有効な抗がん剤がなくなった場合、患者の全身状態が悪化し抗がん剤を投与できなくなった場合、経済的な理由で治療費を捻出できない場合、抗がん剤の投与の中止に至る場合もあります。

どのタイミングで抗がん剤を辞めるべきか、残りの時間をどう生きるべきか、難しい問題がそこにはあります。

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