看護師といった職業は需要がとても多い反面、ハードワークなどの理由から少しでも楽に働くことができる病院を選ぶ、給料が高いところを選んでワードワークに見合った収入を得たいなど、人により考え方に差があるのが特徴です。子育てしながら看護師で働きたいといった場合、フルタイム勤務やシフト勤務は厳しいのでアルバイトやパートで仕事に就きたいと考える人も多いでしょうし、逆にいろいろな職場で経験を積みたい人などの場合は正社員ではなく派遣社員の形で看護師の職業に就く人も少なくありません。正社員の場合は、フルタイムやシフト勤務はマスト条件になるわけですが、他の職業とは違い簡単に首切りされてしまうこともないし、ボーナスなどの支給も受けることができるため年収をより多く持ちたい人にとって魅力的な雇用スタイルになるのではないでしょうか。
ただ、看護師の仕事においての平均年収は約358万円といわれており、日本の平均年収と比べた場合には低い傾向があるようです。この平均年収は正社員雇用の場合の金額で、アルバイトやパート労働者の場合では平均時給は約1.277円で派遣社員では平均時給は1,741円といわれています。これらの平均年収や平均時給は、2021年4月に求人サイトの中で集計された給料情報で前年度などの年収の推移を見ると若干ではあるけれども上昇傾向になっているようです。また、2021年4月時点での調査結果の中では、正社員の給料分布の中で最も多いとされているのが313万円～407万円となっていて、平均年収の358万円もこのボリュームに含まれた金額です。ただ、全体的な給与幅はとても広くなっていて、313万円～1,066万円などからも勤務先や経験、そして求められるスキルにより大差があるのではないでしょうか。
看護師の求人件数の中でも多いのは正社員で、アルバイトやパート・派遣社員などは比較的求人数が少ないのが現状です。そのため、子育てしながら看護師の職業に就く場合には、アルバイトやパートなどの求人を行っている医療機関に応募が必須になって来るけれども求人の件数そのものが少なめですから、身近な場所で求人を行っている情報を見つけたときにはすぐに応募することが大切です。最近は、介護業界も活性化が続いていて、老人保健施設や療養型病院などの数も増えている、これらの施設でも看護師の求人を行っているケースが多くありアルバイトやパートなどで働くことができる場所も少なくありません。自宅近くにこのような施設があるときなど、求人の有無を確認しておけばチャンスが広がります。
子育てしながらの場合、お子さんを実家に預かって貰うことができる人は日勤のフルタイム勤務可能になるかと思われますが、時間が決まっているような保育所などに預けている場合には短時間労働が可能な医療機関や老人福祉施設といったところになって来ます。また、入院施設があるような病院では夜勤などが必須になって来るので、狭き門などのイメージを持つ人も多いかと思われますが、日中は外来患者が多く訪れるなどの理由から事情を話すことで日勤だけの仕事に就くことができるケースもあるようです。
ところで、賃金構造基本統計調査は厚生労働省が実施しているもので、この調査の中には看護師に関する基本情報をまとめたデータも公開されています。先ほど、看護師の平均年収は約358万円であることを説明しましたが、厚生労働省の調査の中では479万円の金額になっていて100万円以上の差があることがわかります。この調査データは月給33.2万円で賞与が81万円、時給に換算すると1,747円ですから求人サイトの調査金額（派遣社員の平均時給）とほぼイコールです。ただ、年齢が39.4歳で勤続年数が8.1年の場合での金額ですから、子育てしながら再就職といった場合にはこの金額よりも下回る可能性は高くなります。
厚生労働省では、毎年平均年収の調査を行っているのですが、看護師の年収の推移は2010年頃からほぼ横ばい傾向になっている、グラフを見ると良くわかるのですがグラフの縦線は2010年から2019年にかけてほぼ同一の金額を示しています。高齢化社会といわれている現代において、病院はなくてはならない存在でもあり看護師の需要は年々上昇傾向を持つけれども、年収の推移を見る限りでは金額が大きく上昇していることはなく、今後もしばらくの間は横ばい傾向が続くのではないかなどの予測もあるようです。なお、看護師の年収は地域によっても異なるのが特徴で、東京都などでは404万円、神奈川県が394万円、埼玉県が382円など関東エリアの中ではこれらの地域の平均年収が高く、栃木県や群馬県などでは334～337万円の金額です。しかしながら、他のアルバイトやパートなどのお仕事と比べた場合には時給が高めですから、子育てしながら働くことができる病院を探せば資格を活かした職業に就ける魅力はあるのではないでしょうか。